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2025.10.27
第15回動物看護に関する学術集会 症例発表報告
総合診療科の愛玩動物看護師来間です。
10/12(日)に行われた令和7年度獣医学術 近畿学術学会で
❝第15回動物看護に関する学術集会❞ も開催されました。
学術集会では、症例発表や教育講演が行われ、その中で
「犬の門脈体循環シャントにおける術後24時間動物看護に関する検討」について
症例発表を行いました。

今回はその内容をお話しさせて頂きます🖊
門脈体循環シャントとは❓
肝臓を通過して全身に流れるべき門脈血が、肝臓を迂回して
直接体循環に流れ込む異常な血管(シャント)が存在する状態です。

その治療として、手術により肝臓への血液循環を正常にする為に
シャント血管を閉鎖することがあります。
VRセンターでは結紮術を行なっており、その治療の際に最も注意している合併症が
結紮後発作症候群:PLSSです。
明確な原因は未だわかっておらず、具体的には発作やチックなどの神経症状を発症します。
今回の発表にあたり、VRセンターで手術を行なった犬の患者様の
PLSS発症率とその時期に関して調査をしました📃🐶
結果としては、5.1%の割合で発症していること
また、発症時期は昼夜を問わないことが分かりました。
VRセンターでは24時間看護を行なっており、
実際に夜間中にPLSSを認めたケースでは早期発見し迅速な対応が可能でした。
このことから、門脈体循環シャントとは手術をして終わりでは無く
24時間のモニタリングと異変があった際の早期発見・即時対応の必要性が示されました。

今回私自身初めての発表でとても緊張しましたが、
改めてVRセンターでの愛玩動物看護師の役割と重要性を発信することができました。
今後も一頭でも多くの動物と、そのご家族の力になれるよう努めてまいります。
来年も学会発表しようと思っています‼️
